LTOによる持ち込みデータへの対応や、プロジェクトデータのアーカイブに活用されています
導入の背景&システム概要
ポストプロダクションや音楽レコーディングスタジオの運営をはじめ、制作業務も手がけている株式会社サウンド・シティ様。基本的にはサーバや外付けHDD対応であるAutodesk社製編集システムでCM編集を行っていますが、ここ最近主流になりつつある4K映像等の素材データがLTOで持ち込まれることが多いため、その対応に頭を悩ませていました。
また、サーバ内にアーカイブしていたデータ容量も徐々に増え始めたこともあり、ビジュアル・グラフィックス社に相談したところ、汎用性や利便性、そしてコスト面で優れていたUSB3.0とSAS接続のLTOテープ装置『LT60 USB/SAS』を採用。現在、ネットワーク経由で接続して、持ち込まれたLTOテープの読み込みと書き込み、さらにプロジェクトデータのアーカイブにご活用いただいています。
導入企業
株式会社サウンド・シティ
東京都港区麻布台2-2-1

事業内容
  • レコーディングスタジオの運営
  • ノンリニア編集、グレーディング、MA等、ポストプロダクションの運営
  • 各種フォーマットによるビデオのプリント業務
  • レコーディングエンジニアのマネージメント業務
  • 音楽制作業務
写真1
ポストプロダクション技術部
部長
福田 嘉和氏
写真2
システムエンジニア

山田 洸介氏

4Kへの移行期ならではの問題を、スムーズに解消。
簡単な操作、USB3.0による汎用性、低コストなど、
ネットワークの中にLTOをうまく組み込むことができました。

HDDの手軽さよりも、LTOの信頼性。

「協業他社から持ち込まれる映像等の素材データは、これまで外付けHDDに入ってくるのが主流でしたが、これからはLTOが増えそうです。4Kに伴ってデータが大きくなっているのはもちろんあると思いますが、どちらかというと外付けHDDが壊れやすいからというのが原因だと思います」と語るのは、株式会社サウンド・シティポストプロダクション技術部部長の福田嘉和氏。業界的には、何年も前に使ってそれ以来電源も入れていない外付けHDDを持ってきて、その中にある素材を使って欲しいということもあるとか。さらに、システムエンジニアの山田洸介氏は「以前、HDDがクラッシュしてしまい、5〜60万円かけて全データを復旧したこともあります。コストが安いのと手軽に操作できるのでついついHDDになりがちですが、こういう体験を一度していると使うのが怖くなっちゃいますね」と加えました。

Autodesk Flame(Linux) Flame AssistでLTOを。
さらに、納品後のデータ保管もLTOで。

そのような状況のなか、同社が採用している編集システムはLinuxとMacで使用できるAutodesk社の『AutodeskFlame(Linux)FlameAssist』。Linux用ならLTOを直接使用できるのですが、Mac用の場合はサーバや外付けHDDのみ対応なので、TarやLTFSで書き込まれたLTOの持ち込み素材データをどのようにして読み書きするか、対策を講じなければなりませんでした。そこでビジュアル・グラフィックス株式会社の福岡尚人氏に相談。
「USB3.0とSASで接続できるLTFSのLTOドライブがあるということで、『LT60 USB/SAS』を紹介してもらいました。弊社は40GbE(Macは10GbE対応)のネットワークを構築しているので、このネットワーク経由でLTOのデータの読み書きが可能になると。それで試したところ、LTOの受け入れ以外のことも同時に解決されました。というのも、弊社はCMの編集が終わって完パケデータをテープなどのメディアで納品したあとに、万一に備えてコピーを保管しているんですね。納品後のデータの所在は意外と不明になることが多いので、あの時のあの素材、たとえばロゴとかテロップとかを欲しいと言われたときのために取ってあるんです。でもそれが積み重なるとそれなりに容量が増えますし、かといっていつ使うかもわからないデータのためにNASを増設するのもコストに見合わない。長期保管やデリバリーのことを考えると、前述のとおりHDDという選択肢は厳しい。そこでLTOで管理しようということになりました。そもそもは持ち込みデータの受け入れが主たる目的でしたが、これも汎用性が高い『LT60 USB/SAS』だからできたことですね」と山田氏。
マシンルーム
多くの装置が並ぶマシンルームの一角に備え付けられた『LT60USB/SAS』。本体とは少し離れたところのキーボードと画面で操作しています。

オーディオファイルのLTOアーカイブ、
そして棚管理が今後の課題。

しかし、すべての問題が解決されたという訳ではなく、まだいくつか課題が残されているとのこと。「まず手をつけたいのが音楽のデータです。Liveの録音なども、いまはまだHDDにバックアップをとっていますが、早いうちにLTOへ移行していきたいと思っています。ただAvidの『Protools』は、LTFSとの相性が良くないということを耳にしているので、そこをきちんと検証してから取りかからないといけないですね。
従来テープ
「従来のテープだと、相当なスペースが必要。すでに棚から溢れ出している状況を、LTOにしてすっきりさせていきたいと思っています」
音楽スタジオ
株式会社サウンド・シティ様は、音楽スタジオ、編集スタジオでトータル14室。そのすべてを40GbE(Macは10GbE対応)のネットワークで一元管理しています。
あとはLTOの管理方法です。HDDに比べてもスペースをとらないので良いのですが、長期保管したときにすぐに引っ張り出せるような棚管理をしたいと考えています。LTOは複数のプロジェクトデータを1本に集約できるので、どこにあるテープのどの部分に保存されているかが分からなくなると意味がなくなってしまう。UNITEXさんからバーコードや色分けなどの方法もあるとご提案もいただいているので、そのあたりもぜひ検討したいですね」と語っていただきました。また、ドライブの台数を増やして各スタジオに設置する話も出るなど、『LT60USB/SAS』を利用したこれからの展開が楽しみです。

今回の導入製品

USB/SAS LTOテープ装置

LT60 USB/SAS

LT50 USB

特徴

  • LTO-6の場合1巻あたり2.5TB(非圧縮時)、6.25TB(2.5:1圧縮時)
  • 最大6GbpsSAS:160MB/Sec、USB3.0:140MB/Sec(非圧縮時)の高速アクセス
  • USBのプラグアンドプレイ機能により、複数システムでの共有が可能
  • Linux/Windows/Mac OSをサポート
    プラットフォームを超えたデータ交換にも利用が可能

LTFS機能
(Linear Tape File System)

  • ディスク上のファイルと同様の容易なデータ・アクセスと管理をLTOテープ上で実現
  • ドラッグ&ドロップなどの、一般的なファイル/フォルダ操作で簡単にLTOテープの読み書きが可能
  • 異なるOS間でのファイル・データの共有が可能

このようなお客様へ

  • 放送・映像業界、監視カメラ業界、医療業界で大容量データを扱う
  • Windows/Linux/MacOSと複数システムが社内・部署内に存在している
  • 大容量データを他社と共有して作業を進める
  • 映像資産のアーカイブ先を検討中
  • 映像関連のポストプロダクション作業の受け渡しを行っている
  • CAD/CAMデザインの保管・受け渡しを検討中
  • 医療分野での画像処理・カルテ等の整理・一元管理を検討中
※ 記載されている会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。記載の内容は2015年11月現在のものです。本カタログに記載されている情報は取材時におけるものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承ください。