1シーズン約500GBになるカタログデータを、
現場レベルでLTOテープに高速保存。
さらに、システムのバックアップにも利用しています。
時代とともにブランドが拡大、そのうえデータの容量も種類も増加
女性用下着の通販会社として、創業してから20年以上が経った株式会社ピーチ・ジョン。そのシステム管理担当部長を務める前田氏は、どのような問題を抱えていたのかを次のように語ってくれました。
「私たちは現在、ピーチ・ジョン、SALON、YUMMY MARTという3ブランドを展開し、それぞれのなかで下着をメインにルームウェアやアウター、ファッション以外のインテリアなども販売するようになりました。若い人向けのブランドですが、幅広いお客様から支持されるブランドでもありたいという想いもあり、必然的に拡大してきたという感じですね。なので、過去のものも合わせると、アイテム点数はトータルでざっと9万点以上。Webサイトやカタログで紹介するための画像データも、そうやってどんどん増えています。しかもカメラのテクノロジーが進化して一点一点の画像データが高解像度で大容量化しており、商品写真を含むカタログのデータは1シーズンで約500GB以上になってしまうため、ファイルサーバに次々と保存されていくと基幹システムにも影響が出てしまうという騒ぎに。弊社では、あらゆるデータを保存しているファイルサーバがすでにミッションクリティカルになっており、社員の作業を中断する訳にはいかないので早く何とかしなければならなかったんです」
毎シーズン新たなアイテムが続々と登場し、本社ショールームにも数えきれないほどの商品が並ぶ。
NASの増設から一転、LTOテープでのバックアップへ
「当初、この問題が出てきてからいろいろ検討してみたんですが、ファイルサーバの利用状況を考えても、やはりNASの容量を増やす他ないかと思っていたんですよ。要らないデータを減らせばそれなりに対応できるかなとも思ったのですが、500GB増えたときに皆に要らないデータを減らして欲しいと言ってみても10GB減れば御の字というレベルだったので、もう考え方を変えないとダメだねということで大容量NASへのリプレースを進めようと。
ところがNASには容量があるものがほとんどなくて、私たちが理想とする環境を作ろうとするとどうしても大規模な仕組みになりお金がかかってしまう。困ったなぁと思っていたところに丁度バックアップのセミナーの話が舞い込んできて、このとき初めてLTOテープとLTFSを耳にしたんです。そもそもテープバックアップっていうのは、ファイルっていう概念があったのと、もっとシステム全体みたいなすごいモノを取る用だという先入観があったので意外でしたが、従来のDVDコピーと同じようにドラッグ&ドロップで操作できたりするので、これは行けるかもという感触がありました」
また「これまでカタログデータは、MOやCD、DVDにとっていました。しかし1シーズンのデータなのに、どうしても1つのメディアに収めることができないので何枚にも分けて保存する。そうなると、1つの商品画像を再度使おうと思った時に複数のメディアのどこに入っているのかを探す手間がでてきちゃったりするんですよ。あと社内ポリシー上、外部メディアへの書き出しをしないようにしているため、そのあたりも解決しなければならなかった」と話すのは、情報システム課のインフラ担当である湯田氏。「LTOなら1本のカートリッジに1シーズンのデータが十分収まりますし、フォルダを切って分けられる。DVDだと10枚必要なところが1本に集約できるので、大きくかさばらないで保管できるというのもいい。あと長期保存に向いている点、皆が持っているUSBメモリやCD、DVDとは違って読み込むのに機材が必要になるのでセキュリティ面でも強い点など、これ以上のものがあるのかっていう感じでしたね」
LTOなのにUSB接続できるから、
制作サイドでも、システムサイドでも使えるのでとても便利
「LTO装置を探して最初に候補であがってきたのは、SAS接続でラックタイプのもの。これだとそれなりの金額になり、カタログのデータを逃がすことだけを用途とするにはいまひとつの費用感だったので、どうしようかと困っていました。そんなときに出会ったのが『LT60USB』です。LTOというと大抵SASでサーバに接続したり、ラックタイプみたいな大型の物ばかりだったのに、USB3.0接続でコンパクトサイズ、しかも安価だったという点がこちらの望みにピッタリでした」「実際に導入してみてもそのメリットは大きくて、カタログの制作現場はMac、私たちのシステム部はWindows、それぞれフロアも違うんですが装置自体を共有できるんです。基本的には制作サイドに常設してLTOテープにカタログデータを保存してもらっていますが、たまにシステムサイドで代わりに行うようなこともあったり、カットオーバーする直前にシステムのバックアップをLTOにとったりするときに、じゃあ借りて行きまーす、みたいな気軽な感じで持ち運んでます」「ラックタイプのLTO装置では考えらませんからね。すごく便利に使わせてもらってます」と両氏は『LT60 USB』を導入した後の様子を話してくれました。
「ファイルサーバの整理に年中追われ続けていたのが、LTOに逃がせるようになったのは非常にメリットですね」と湯田氏。
低コストで、しかも簡単。
バックアップの可能性を拡げる『LT60 USB』
カタログは社内制作。春、夏、秋、冬号とシーズンごとに発行され、そのデータ量は年間で約2.5TBにものぼる。
「弊社ぐらいの規模の会社だと、やっぱり頻繁に使用しないデータを保存することになど、それほどお金をかけられないと思うんです。しかし、そういったデータでも大変重要だし、資産になっていくものなのでしっかりと残していかなければいけない。こういうジレンマを抱えている会社さんは多いと思います。そのような所には、この価格で使い勝手の良さをもつ『LT60USB』は、用途の可能性が拡がるので非常にうってつけだと思いますね。NASのディスク1台足すのとテープ1本買うのとでは、コストも労力も全然違う。だからこんなに安く簡単にバックアップをとれるなら、もう好きなだけとって欲しいなと。その他にも、バックアップのバックアップをとるだとか、LTOを2台つないで別置保管ということも視野にあるので、これからもどんどん活躍してもらいたいと思っています」と今後の展開に強い期待を寄せていらっしゃいました。
今回の導入製品
USB3.0対応 LTOテープ装置
LT60 USB
- LTO-6の場合1巻あたり2.5TB(非圧縮時)、6.25TB(2.5:1圧縮時)
- 最大140MB/Sec(非圧縮時)の高速アクセス
- USBのプラグアンドプレイ機能により、複数システムでの共有が可能
- Linux/Windows/Mac OSをサポート
- プラットフォームを超えたデータ交換にも利用が可能
LTFS機能
(Linear Tape File System)
- ディスク上のファイルと同様の容易なデータ・アクセスと管理をLTOテープ上で実現
- ドラッグ&ドロップなどの、一般的なファイル/フォルダ操作で簡単にLTOテープの読み書きが可能
- 異なるOS間でのファイル・データの共有が可能
- 放送・映像業界、監視カメラ業界、医療業界で大容量データを扱う
- Windows/Linux/MacOSと複数システムが社内・部署内に存在している
- 大容量データを他社と共有して作業を進める
- 映像資産のアーカイブ先を検討中
- 映像関連のポストプロダクション作業の受け渡しを行っている
- CAD/CAMデザインの保管・受け渡しを検討中
- 医療分野での画像処理・カルテ等の整理・一元管理を検討中
※ 記載されている会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。記載の内容は2015年7月現在のものです。本カタログに記載されている情報は取材時におけるものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承ください。