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エンジニアに聞く#1
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エンジニアに聞く#1
『背番号認識AIの開発』

ユニテックスが誇るユニークな製品や技術の数々。
開発のこだわりや裏話に迫る『エンジニアに聞く』第一回!

実は難しい「背番号の認識」

とあるサッカーチーム様より、「試合中に撮影された写真を選手ごとに振り分けたい」というご要望をいただきました。写真の枚数が非常に多く、手作業での分類は現実的ではないため、AI技術を活用した自動分類の仕組みを構築することとなりました。

分類の主な手がかりは「顔」と「背番号」ですが、すべての写真に顔が写っているわけではありません。特に背中を向けている場面では顔認識が困難なため、背番号による判別が重要な役割を果たします。しかし、この背番号の認識が技術的に最も難しい課題でした。
背番号はユニフォームの皺によって歪んだり、形が大きく変化することがあります。また、光の当たり具合によって数字の一部が白飛びしたり、逆に陰になって暗くなることで、視認性が著しく低下します。さらに、他の選手や体の一部が重なって数字の一部が隠れてしまうケースも多く、通常の画像認識では正確な判別が困難でした。

この課題に対して、AIに「ある程度の形で認識させる」工夫を施しました。AIが画像を認識する際には、画像の中から特徴的なパターンや形状を抽出し、それを「特徴量」として学習・判断します。今回は、背番号の数字が完全に見えていなくても、数字の一部の形状や周囲の構造から推測できるよう、特徴量の設計と学習データの工夫を行いました。

特徴量の工夫

品質を高める「前処理への工夫」

また、相手チームの選手と混同しないよう、自チームのユニフォームの色を判別する処理も導入しました。色の判別は一見簡単に思えますが、実際には光の当たり方によって色味が大きく変化するため、明るい環境でも暗い環境でも安定して判別できるよう、色空間の変換や輝度補正などの前処理を工夫しました。

さらに、処理を行うPCのスペックが高くないことを考慮し、AIによる画像分類の前段階で、顔や背番号の位置を絞り込む前処理を行いました。これにより、AIが処理すべき領域を限定し、計算負荷を大幅に軽減することができました。結果として、スペックの低い環境でも安定して動作する分類システムを実現することができました。

ユニフォームの色見
このように、複数の技術的な課題に対して、AIの特徴量設計や前処理の工夫を重ねることで、選手ごとの写真分類というニーズに応えることができ、お客様にも大変喜んでいただけました。お客様からお褒めの言葉もいただき、自身の創意工夫によりお客様の役に立つものが作れたということを実感しました。

今後も、現場の課題に寄り添いながら、技術を活かした柔軟なソリューションを提供していきたいです。

PROFILE

M さん


インキュベーション推進室 テクニカルスペシャリスト
2010年 入社

先進技術の探索と応用による、既存製品の枠に捉われない新たな技術開発に従事