JIS規格に学ぶデータ管理の基本

Q1 意外に多い「データの管理」の悩みとは?

X博士

みなさんもお分かりのとおり「データの管理」とは、保存したデータを利活用するために行うものです。REPORT 01で 記載した「データの属性」と照らし合せてみると、利用頻度が低く量も膨大となるコールドデータほど利用しようとした際に見つけることが難しく、 管理が必要であるとご理解いただけるかと思います。しかし、具体的に「どのように管理するべきか」という点では、お悩みの方が多いと感じます。 特に、管理台帳にどういった情報を記載するべきかなど、今回はJIS規格を交えてご紹介します。

チェックリスト

Q2 実は簡単! JIS規格のアーカイブガイドラインとは?

研究員

2018年1月にJIS Z 6019「磁気テープによるデジタル情報の長期保存方法」が制定されました。「磁気テープ」と記載されていますが、アーカイブという観点で共通的な考えですので、 どのような情報を管理するべきかご紹介します。下表は規格内の「管理対象ファイルごとの管理項目」で、13の管理項目(必須は9項目)が記載されています。 正ファイルと副ファイルの情報がありますので、正副を作成しないのであれば必須は7項目となります。 (出典:日本産業標準調査会)

管理項目名 内容 必須 又は選択の区分
資源識別子
資源識別子
デジタル情報長期アーカイブ体系内で,デジタル情報ファイルに対して一意に定められる識別番号 ✔ 必須
正ファイル記録媒体管理番号
正ファイル記録媒体
管理番号
正ファイルが記録されている記録媒体の管理番号 ✔ 必須
正ファイル記録媒体保管場所
正ファイル記録媒体
保管場所
正ファイルが記録されている記録媒体の保管場所 ✔ 必須
副ファイル記録媒体管理番号
副ファイル記録媒体
管理番号
副ファイルが記録されている記録媒体の管理番号 ✔ 必須
副ファイル記録媒体保管場所
副ファイル記録媒体
保管場所
副ファイルが記録されている記録媒体の保管場所 ✔ 必須
予備ファイル記録媒体管理番号
予備ファイル記録媒体
管理番号
予備ファイルが記録されている記録媒体の管理番号
複数の媒体を登録可能
△ 選択
予備ファイル記録媒体保管場所
予備ファイル記録媒体
保管場所
予備ファイルが記録されている記録媒体の保管場所
複数の媒体を登録可能
△ 選択
作業記録
作業記録
デジタル情報のデジタル情報長期アーカイブ体系への作業者、
作業内容、正副ファイルの区別及び日時
✔ 必須
登録日時
登録日時
デジタル情報長期アーカイブ体系への登録日時 ✔ 必須
削除日時
削除日時
デジタル情報長期アーカイブ体系からの削除日時 ✔ 必須
ファイルサイズ
ファイルサイズ
デジタル情報ファイルのファイルサイズ ✔ 必須
ハッシュ関数
ハッシュ関数
ハッシュ値を生成する関数 △ 選択
ッシュ値
ハッシュ値
デジタル情報ファイルのハッシュ値 △ 選択

Q3 業界ごとに「データの管理」が異なる理由は?

研究員

結論から述べると、業界ごとに扱うデータの種類や利用方法が異なるためです。例えば映像業界では映像ファイルを取り扱うケースが多いですが、 再利用 (編集など) に備えて映像のコーデックや時間、番組の場合には誰が映っているかなどの情報が必要となります。同じ映像ファイルでも、 事件があった場合に利用する防犯・監視カメラ映像ファイルは、撮影場所や撮影日時、法的な保存期間などが必要となります。

このように、業界や利用用途によって「データの管理」に必要となる情報が異なります。そのため、どういった利活用の可能性があるのかに配慮し、 利活用したいときに容易に利用できるよう管理していく必要があります。

映像業界
X博士

また、業界による話ではありませんが、管理情報はアーカイブした際に付加または記録することが大切です。
後から付加しようとしても、 当時の状況が思い出せなかったり誤ったりと不完全な状態になりがちです。 アーカイブソフトウェア等を用いることで、アーカイブ時に管理データが容易に付加でき、データベースなど
で管理も容易となります。

このような課題を最適解へ導く、アーカイブソフトウェアと磁気テープ装置をご紹介します。
詳しい内容は以下リンクより製品情報ページをご覧ください。

磁気テープによるデジタル情報の長期保存方法に適した製品なら、誰でも簡単にはじめられる、USB接続のLTOテープ装置「LT80H USB」
LT80H USB
LT80H USB
アーカイブ時に管理情報が記録できる便利なソフトウェアなら、安心の履歴管理も備えたLTOアーカイブソフトウェア「UNITEX ArchiveLT」
UNITEX ArchiveLT
UNITEX ArchiveLT