日々増え続けていくカルテや診療画像データをはじめ論文や研究文献の長期保存に活用されています。
導入の背景&システム概要
2011年3月に発生した東日本大震災では、大規模な地震や津波により人命をはじめさまざまな被害をもたらしました。医療システムやそれにかかるデータもその一つです。また、2015年5月に発生した、イギリスの医療機関をターゲットとしたランサムウェアによるアタックでは、医療機関の機能が麻痺するなど、こちらも甚大な被害を及ぼしました。

わかばひふ科クリニック様では、医療にかかるデータの安全な保存や管理を医療業界全体の課題と捉え、LTOテープ装置に着目。ノートPCでも利用可能なUSB接続LTOテープ装置と、データベリファイまで自動実行可能なコピーソフトウェア「UNITEX FASTapeLT」を、日々蓄積していくカルテや診療画像などの確実なアーカイブにご活用いただいています。
導入施設
わかばひふ科クリニック
東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F
URL http://www.wakaba-hifuka.com/

導入の決め手
  • LTOテープで安全確実に大量データを長期保存できる点
  • USB接続で移動したり異なるPCでも使用できる点
  • リースによって手頃な価格で導入できる点
お客様情報
小児皮膚科 / 皮膚科
写真
院長
野崎 誠氏

大量のカルテや診療画像データを高速コピーし、確実・安全に長期保存。
USB接続ならではの利便性の高さ。リースとすることで手頃な価格で容易に導入が実現できました。

診療時に撮影した医療画像データ、転院情報、論文や研究文献など、
いかに確実に保存出来るかが最重要

2013年より、『地域の皆様に信頼していただけるクリニック』を目指し開院されたわかばひふ科クリニック様。皮膚科という業種上、カルテに加え診療時に患部の写真などを撮影することが多いと語るのは、執筆や講演にも積極的に取り組む野崎院長。「撮影した医療画像データは、患者様の次回来院時や過去症例として使用するため大切に保存しておく必要があり、すでにその数は1万件以上にのぼります。
また、論文の執筆および講演で関連する研究文献などのデータは、1件につき複数の参考文献が必要となり、多い場合には100件以上用いるケースもあります。その他にも転院情報データなど、さまざまな種類のデータが大量に積み重なり、パソコン上のストレージはすぐに一杯になってしまうんです。そこで外付けHDDに保存したりしていたのですが、破損してデータを消失した経験があるんです。そのため、そう簡単にデータがなくならないようなストレージがないか思案していました。あと、地震などの自然災害をはじめ、さまざまな予期せぬ事態により突然データが消失してしまうようなケースもあり得えますよね。これは実は、医療業界全体の課題と捉えられるんです」その結果、わかばひふ科クリニック様では大容量でリムーバブルなLTOテープに着目。「カルテ、医療画像、研究論文関連のデータを安全に長期保存できるLTOは安心ですね。
また、1本あたり6TB (非圧縮) と非常に大容量でありながら、媒体コストも優れています。さらにデータのコピー作業については、オプションのLTFSデータコピーソフトウェア「UNITEX FASTapeLT」を利用していますが、コピー時にベリファイまで自動的に実行され、確実にLTOテープへデータが保存されたことを保証されるので心強いです。医局などの集まりでも本や研究データのアーカイブ、改ざん防止をどうしていくかが課題となっており、LTOシステムの活用が解決方法になるかもしれないと期待しています」とコメントをいただきました。
LTO保管
検査結果や病理結果など患者の方々の情報をはじめ、クリニックを運営するにあたって大切なデータをLTOテープにアーカイブしています。

ランサムウェアによるアタックなど外部要因から
データを保護する仕組みの構築

2005年頃からその活動を顕著化させ始めたマルウェアの一種であるランサムウェア。感染した場合、コンピュータ上にあるファイルなどが暗号化され、身代金 (ランサム) を支払うよう要求されるハッキング対策も必要になってきました。「2015年5月には、イギリスの医療機関がターゲットとなり、病院の機能停止が発生するなど甚大な被害を及ぼしました。一部の病院では患者への対応ができず、予定されていた手術が中止されるなど深刻な被害も報告されています。
診察室
こうした事態への有効な対策として、LTOテープが利用できるという点も、導入決定に至ったポイントの一つです。というのもLTOテープはリムーバブル媒体なので、利用し終わった後はLTOテープ装置から取出し、棚などで保管できますよね。LTOテープ装置に装填されていないオフライン状態では、ランサムウェアをはじめさまざまなウイルスなどの脅威から保護されるので、ようやく安心してデータを保存出来るストレージを入手できたと言えます。しかもコンパクトなLTOは省スペースで管理ができ、そのうえ移動させやすいのは僕ら開業医にとっては大きなメリットですね」と野崎院長。加えて「大容量のデータを簡単に、なおかつ安全にデータ保管できるので、大変利便性が高いなと実感しています。まだ、医療業界を含めてLTOは知られていないので、もっと皆さんに知ってほしいですね 」
野崎院長のコメントにもあるように、LTOテープを簡単に扱えて身近なものにしたのが“LTFS”機能です。LTO-5より導入され、外付けHDDの様にエクスプローラなどでアクセスできるようになり、ドラッグ&ドロップ操作も可能に。さらにLTFSフォーマットで記録されたテープは、万が一利用しているコンピュータがウイルスに感染したとしても、他のコンピュータでデータの復元が行えます。また、LTFSフォーマットは国際規格であるISOにも登録され、標準化されています。

リース可能で、手軽な価格でLTOテープ装置での
アーカイブが出来る点もポイント

医療業界全体を見渡したとき、LTOテープによるアーカイブを行っている医療機関は多くありません。業界内での知名度の低さというのもありますが、LTOテープ装置そのものの価格も導入を遠ざけている一つの要因であると考えられます。
「LTOテープのメディア価格は非常に安くコストパフォーマンスに優れていますが、 装置については一度に設備として購入するには負担が軽くありません。設備として購入した場合には、LTOテープ装置そのものの価格に加え、固定資産税など付随する経費も発生します。そのような理由で導入を躊躇していたときに、ユニテックスさんからリースの提案をいただきました。これは正直なところ、願ったり叶ったりのお話でした。特に初期投資がないのが最大のメリットですね。また、LTOは世代が上がっていくので、リースを活用して最新世代のLTOシステムを今後導入していけるのも大きなメリットです。というのも、カルテは医師法により5年の保存期間が定められており、データの長期保存は医療業界でも大きな課題となっているんです」
野崎院長のコメントのように、LTOテープ装置がリースになることで、導入時の初期費用はなく、月々少額の支払いで導入が可能。リース期間が終了した場合は、LTOテープ装置やソフトウェアは返却することになりますが、そのタイミングで、同機種のLTOテープ装置を再度リースするのか、わかばひふ科クリニック様のように最新機種のLTOテープ装置をリースするのかという選択肢を持つことができます。仮に最新機種が高額化していたとしても、乗り換えた際の差額が支払期間で分割されるため、大幅に支払額が増加することもありません。ユニテックスではリースだけではなくレンタル、もちろん販売も行っており、お客様のLTOシステム導入に柔軟に対応しております。
診察室
清潔感あふれる院内。広々としたキッズスペースも備えるなど、ファミリー層の多い地域で高い信頼を獲得されています。

今回の導入製品

USB3.0対応 LTOテープ装置
+ LTFSデータコピーソフトウェア

LT70 USB
+ UNITEX FASTapeLT

LT70 USB + UNITEX FASTapeLT

特徴

  • UNITEX FASTapeLT
  • 簡単操作でジョブを連続実行
  • 最大4つのコピー先へ同時コピーが可能
  • 独自アルゴリズムで高速コピーを実現
  • 自動ベリファイ機能により、コピーデータの完全一致を確認
  • ジョブ実行結果の履歴管理
  • LT70 USB
  • LTO-7の場合1巻あたり6.0TB (非圧縮時)、15.0TB(2.5:1圧縮時)
  • 最大140MB/Sec(非圧縮時)の高速アクセスUSBのプラグアンドプレイ機能により、複数システムでの共有が可能
  • Linux/Windows/Mac OSをサポートし、プラットフォームを超えたデータ交換にも利用可能

このようなお客様へ

  • 放送・映像業界、監視カメラ業界、医療業界で大容量データを扱う
  • 医療分野での画像処理・カルテ等の整理・一元管理を検討中
  • Windows/Linux/Mac OSと複数システムが社内・部署内に存在している
  • 大容量データを他社と共有して作業を進める
  • 映像資産のアーカイブ先を検討中
  • 映像関連のポストプロダクション作業の受け渡しを行っている
  • CAD/CAMデザインの保管・受け渡しを検討中
※ 記載されている会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。記載の内容は2018年3月現在のものです。本カタログに記載されている情報は取材時におけるものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承ください。