レガシーテープから光ディスクまで、あらゆるメディアに対応。
導入の背景&システム概要
企業と銀行との間で取り引きされる自振・口振などの「受入・返却」に関わる業務は、支払い内容等を明記した関連データがFDやCMTなど所定のメディアに格納された状態で、企業から銀行にそのまま委託されることが多くあります。そのため、多種多様な顧客を持つ清水銀行様では、いかなるメディアで持ち込まれてもデータ交換業務や「受入・返却」業務に対応できるよう、マルチメディアコンバータMCS3500全銀協対応受入・返却システムを中核にした勘定系システムを導入。2013年5月より稼働し、現在も順調に展開しています。
導入企業
清水総合コンピュータサービス株式会社
本社所在地:静岡県静岡市清水区天神1丁目8-25

事業内容
コンピュータ関連業務
写真1
システム部
リーダ
池田 勝弥氏
写真2
株式会社清水銀行
事務部
次長
八木 真樹氏

顧客のシステム環境に左右されることなく、
データの受入・返却が可能に。さらにカスタマイズ化によって、
作業効率・利便性の向上を達成することができました。

時代とともに姿を変える
“メディア”の壁

清水銀行様の場合、顧客のFDやCMTニーズは無くならず、これらのメディアに対応しないという訳にはいきませんでした。さらに最悪なことに、現行システムの保守期限が終了するという事態に迫られていたのです。そのため、これからのシステムを考えるに当たってのキーポイントは、CMTデッキの保守対応をどう維持させればよいか、ということでした。すでにCMTを供給可能なベンダも稀少になりつつあり、これまで付き合いのあった業者サイドの話では、もはやFDやCMTに代わりLTO対応のみに変更するということが決定的になっていたのです。また同時に、FDへの書込みがスムーズではなくなったというシステム自体の経年劣化も気になり始めていたため、さまざまな課題をクリアする新たなシステム構築に向けた模索が始まりました。

システムと保守にも進化が必要

清水銀行様では、10年ほど前にグループ内のシステム運用を担っている清水総合コンピュータサービス様が導入した、メディア変換システムを受入・返却業務に活用していました。これまで、ホストコンピュータにチャネル接続されるCMT装置でのI/Oを行うため、スタンドアローンのメディアコンバータを利用し、FD、MO等の各種自振/口振データ交換用メディアから一旦CMTへ変換した後ホストシステムでの処理を行ってました。 しかし、過去にメインフレーム接続のI/O装置として存在したFDまたはオープンリール磁気テープ同様にCMT装置が保守切れとなりLTOでのI/O処理が必要となったのです。

対応メディアを変更した場合でも
顧客にはいかなる負荷もかけない「MCS3500」を選びました

当時、清水銀行様ではデータ交換関連ソリューションベンダは2社でしたが、そこにユニテックスが加わったことで、マルチメディアコンバータ「MCS3500」をメインにした全銀協対応メディア受入・返却システムが検討され、導入されました。その背景について清水総合コンピュータサービス株式会社 システム部 リーダの池田勝弥氏は次のように語っています。「実は、CMTは18トラックご利用のお客様も根強く、当然その対応が望まれていました。そして、それを可能とするのが最終的にユニテックスさんだけとなり、これが大きな決め手となったのです」

本来であれば、自分たちのシステムのアップグレードに合わせてメディアを変えていくというのが理想ですが、“顧客の便宜を図らなければならない”という清水銀行様の顧客満足度向上の理念によって、18トラックのニーズがある以上は対応できる体制で臨むということになったのです。また、清水銀行 業務部 次長 八木真樹氏は「もうひとつはユニテックスさんの納入実績にも決め手の大きな要因がありました。特にメガバンク系の実績が顕著というのは、我々にとりましても安心感をもたらしてくれましたね」と補足。こうした金融系のシステムの場合、ミッションクリティカル性は極めて重要な要素なので、メガバンク系に採用実績があるのは大きな強みと言えます。

もしものときも万全な
二重化システム構成を実現

清水銀行様が導入したMCS3500を中核としたシステムは、高い信頼性に加えて、二重化構成を実現しています。つまり、ふたつのシステムがデータベースを共有しており、万一片方のシステムに支障があっても、もう一方のシステムで業務自体を持続可能とさせるというものです。「通常の二重化構成は本体周りのみが多いのですが、私共ではメインフレーム以外のハードウェアまで含めてすべて全く同じものを2台ずつそろえた名実ともに完璧な二重化構成を採用しているのです」と池田氏はアピールします。たとえばFDといった古いメディアはどうしてもトラブルが発生しやすいため、ひとつのシステムでそのトラブルに対応していても、もう一方は稼働し続けるようになっています。しかも、システムの一方を常時待機させておくのではなく、いつでもふたつのシステムを同時に稼働させるので業務の効率アップに貢献。この点も、清水銀行様の理念でもある顧客満足度向上に寄与しています。
二重化システム

カスタマイズ化でオフィス業務を一括処理

MCS3500によるデータ交換業務

MCS3500によるデータ交換業務。デスク上右にローダがみえる。

いま、さまざまな業界でネットワーク環境の整備が急ピッチで進んでおり、もちろん金融業界でも同じことが言えます。たとえば顧客との振替や振込業務なども、メディアを介さず伝送手段で対応するというケースが増えつつあります。しかし、これまでのメディア主体の業務は依然として根強いものがあることも事実。清水銀行様の場合、メディアによる業務も1日に50枚、100枚におよぶ場合が少なくありません。そのため、オフィス業務を一括処理させることが求められました。「この点はカスタマイズによって対応しました。MCS3500は顧客ニーズがいかなるものだとしても、FDをはじめCMT、MO、BD、DVD、CD、LTO、DATといった多種多様な媒体に対応できるという強みを持っているのですが、対話方式に近いオペレーションであり、FDを1枚ずつ処理するという仕様でした。そのため、オートローダを採用し、一括処理を実現することができたのです。また、オペレーション中は人がそこにいなくても済むし、かつ処理結果も出力ペーパーでエビデンスを残せるようにできました」と池田氏。また、こうした結果を集約し、メインフレーム側で処理するカスタマイズも可能になりました。  さらに、八木氏は「MCS3500導入以前は、スタンドアローンによるメディア間の変換が主で、メインフレームに対しては入出力装置を通じての入力でした。しかしこれによって、データ伝送制御装置が使えるようになり、MCS3500からはFTP(File Transfer Protocol)による伝送手段で入力が可能に。これで、便宜性や業務パフォーマンスも一段と向上させることができました」と導入の効果について語っていただきました。

これからのデータ変換ニーズに対して

池田氏は、「恐らく従来のメディアのほか、これからはUSBメモリのニーズが高まるかもしれませんね」と予測。ユニテックスでは、複数のUSBメモリを利用できるようMCS3500向けのマルチHubを用意し、実際に利用しているユーザもいるなど、すでにその対応も万端です。しかしながらデータ変換ニーズに対しては、それぞれのユーザ向けにいかにきめ細かいカスタマイズをサービスできるか、あるいはハードウェアの保守をどこまできめ細かく迅速に対応できるかが重要なポイントなので、今後も強化を図っていく必要があると考えています。

今回の導入製品

マルチメディアコンバータ

MCS3500

MCS3500

特徴

  • 異なるシステム間でのデータ共有システム、レガシーテープから光ディスクまで、さまざまなメディアに対応
  • 全銀協フォーマット・データ交換
  • ユーザーログインによる、データ改竄/外部漏洩防止
  • QRコードを使用した作業指示/メディア照合による、誤作業防止と情報漏洩リスクの低減
  • データ暗号化ソフトウェアによるセキュリティの強化
  • 信頼の5年間保守サポート

導入のメリット

  • CMT装置の継続運用と保守が可能
  • 大量のBD/DVD/CDメディアの連続高速処理が可能
  • ユーザーにあわせた柔軟なシステムカスタマイズ
  • 業務情報の登録により入出力処理~ホストシステムとのデータ伝送の一括処理が可能
※ 記載されている会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。記載の内容は2013年7月現在のものです。本カタログに記載されている情報は取材時におけるものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承ください。